第3回石狩DC見学ツアー (DC見学編その1)
第3回さくらインターネット石狩データセンター見学ツアーに参加しました。
DC見学編その1です。基本的に、1日目、1号棟の見学写真にコメントつけます。
なお、DC見学編に掲載している写真は、はてな様のカメラマンの方が撮影し、さくらインターネット様のチェックで掲載OKとなったものをご提供いただいております。
サイズ変更、一部参加者映り込みの削除の加工をしています。
特別高圧電気室/高圧電気室
見学の順番とは変更して、続けて載せる。
石狩DCでは、特別高圧の 66,000Vを直接受電していて、まず特別高圧電気室で 6,600Vに降圧している。最寄りの変電所から 2系統で受電、トランスも本番、予備の 2台構成。特高電気室の床が低いのが写真からおわかりだろうか。石狩データセンターブログの設備担当「か」さんからの津波のリスクの説明では予想されるリスクに対して地盤高そのものが十分高いことが説明されているが、実は石狩DCではさらに安全の上乗せで床の高さを上げている。特高設備だけは設備の高さが高く、床をあげていないので周囲と比較して低くなっているとのことである。余談だが、今後、すぐそばにLNG火力発電所の新設が予定されている。
熱源機械室
熱源と言っても、冷水を生成するターボ冷凍機。基本的に外気を利用しているが、気温や湿度の高い時には水冷式の冷房を稼働させるとのこと。1号棟では集中タイプなので初期投資が大きい。2号棟ではモジュールタイプにして、段階的に投資できるようにした他、運用時にもゾーン毎の負荷にあわせた運転が可能になるとのこと。
外気取り込み口
外側に目の粗いフィルタを設置、これは汚れたら洗う。内側に除塩フィルタ。差圧計で管理していて、赤が限度位置表示、黒が実際の差圧。かなり余裕がある。フィルタ前通路のさらに外側に、鳥などの侵入をふせぐ金網。
発電設備
メリットを考えて、ディーゼル方式を選択。騒音の問題から都市型DCでは採用出来ない、郊外型だからディーゼルに出来た、とのこと。実際、稼働させた時の音はすさまじく、機器の警報音も聞こえなくなってしまうので、その代わりとして 3枚目の写真の上部には赤いライトが多数追加設置されている。消火器が 2種類あるのは、法律に定められた消火器を一応おいているが、実際には粉末消火器をサーバがあるところで使用するわけにはいかず、二酸化炭素消火器の方を使うから。
監視センター
石狩DCと言えば低PUE。この日は 1.06 のゾーンも。ASHRAE の空気線図で、赤が外気、青が給気、緑が還気を表している。
1号棟サーバ室
1号棟では、5つのゾーンのうち A、BとCの半分を自社で利用、Cの残り半分とD、Eをコロケーションとして貸し出ししているとのこと。
AとBとは空気の流れの設計を変えてどちらが実際に PUE が下がるか実験をしていた。Aは壁にファンがついているのが見える。ここから冷気を供給し、上部のダクトから天井裏に排気。Bは通路の天井から冷気を給気して、上部のダクトから天井裏に排気。配管の空気抵抗の関係で、Aの方が良い。1号棟設計当初には、ラックの前面、背面両方に奥行きハーフサイズのサーバを密に実装することを考えてこのように設計したが、実際には両面にすることはなかった、ということで、Cや 2号棟では通路にカーテンをつけてホットアイルを区分する方式に変更している。
HVDC 12V
HVDC自体は、直流 340Vであって、これを各ラックの上部で直流 12V にして各サーバに分配する。将来は、太陽光発電から直流のまま給電することも視野に入れている。直流で発電されたものをいったん交流に変換してからまた直流にするのは、損失が大きく無駄である。各サーバ機に電源ユニットが不要になり、スルーするだけとなるので、その分サーバ故障確率が減る。
空調機械室
上部には大型の排気ファン。下部に冷気と暖気を混合する部屋がある。1枚目の写真、盤の裏の下の方に液体洗剤とぞうきんが置かれているのがおわかりだろうか。こういった人手による日々の作業がデータセンターを支えている。
ここは人の出入りの際に虫の侵入があるということで、開設 1週間で虫取り機を設置したとのこと。粘着テープに虫。
倉庫
写真中にはないが、あるメーカは富山の薬売り方式で在庫を石狩DCの倉庫に置いている。急な需要でさくらインターネットがこれを開封し設置すると、買ったことになるとのこと。
今日はここまで。なかなか書き進まずにすいません。
DC見学編その2に続く。